レモンの入った夏のビールと聞くと、甘くて軽い、季節の飲みものだろう。そう身構えていました。六甲ビール醸造所が7月13日に出した夏季限定「瀬戸内LEMONエール」は、その先入観をやんわり外してきます。鍵は、ラガーではなく「エール」だという点でした。
レモンビールを、甘い季節ものだと思っていた

レモン×ビールは、どうしても清涼飲料寄りの印象になりがちです。
けれど、このビールはフルーツエールというスタイル。生のレモンピールを使いながら、IBUは23で、ビールらしい苦味もきちんと残しています。甘さで押し切る一本ではなさそうです。
なぜ、ラガーでなく「エール」なのか

ここに、素材と造りの必然があります。
ビールはおおまかに、下面発酵のラガーと、上面発酵のエールに分かれます。エールは15~25度の比較的高い温度で発酵し、その過程で酵母が「エステル」という香り成分を多く生みます。柑橘や果実を思わせる、あの華やかな香りの正体です。つまりエールは、もともとレモンのような柑橘と相性がいい造り方。甘味料でレモン風味を足すのではなく、酵母の香りと生レモンピールを重ねて、香りで飲ませる設計になっている。そう読めます。
レモンは、通常の2倍。「道法レモン」という素材

使われているのは、広島県呉市・豊島の「道法レモン」です。
DOHO STYLEと呼ばれる農法で育てられ、果実のサイズは通常の2倍以上になるとのこと。原材料にはレモンの皮と果汁に加え、麦芽、オート麦、蜂蜜が並びます。蜂蜜のまろやかさとオート麦の口当たりが、レモンの酸とエールの苦味の間を取り持つ。素材の足し方に、ちゃんと意図が見えます。
どの夕暮れに、何と合わせるか

こういうビールは、夏の夕方の一杯目に向いています。仕事を終えて、まだ外が明るいうちに、よく冷やして開けたい。
合わせるなら、揚げ物や魚介。レモンを搾りたくなる料理には、たいていこのビールも寄り添います。唐揚げ、白身魚のフライ、冷たい前菜。350mlで495円(税別)は、クラフトビールとしては手に取りやすい部類です。缶は全国で買えるので、まずは一本、夕暮れに試すところからでいいと思います。
商品情報

- 商品名:瀬戸内LEMONエール/六甲ビール醸造所(有限会社アイエヌインターナショナル・兵庫県神戸市北区)
- 価格・容量:缶350ml 495円(税別)/樽15L/アルコール分5.0%/IBU23
- ビアスタイル:フルーツエール(生レモンピール使用)/原材料:麦芽、オート麦、蜂蜜、レモン皮、ホップ、レモン果汁
- レモン:広島県呉市・豊島の道法レモン(DOHO STYLE)。果実サイズは通常比2倍以上
- 発売:2026年7月13日/販売エリア:全国/公式:https://www.rokko-beer.com
出典
- 六甲ビール醸造所 プレスリリース(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000179287.html
- エールとラガーの違い・エステル香 参考:たのしいお酒.jp https://tanoshiiosake.jp/8946