商品名を見て、「日本酒カスク」の四文字で手が止まりました。江井ヶ嶋酒造が7月17日に先行発売した、ジャパニーズウイスキー「香掬(かすく)日本酒カスク 10年」。バーボン樽でもシェリー樽でもなく、日本酒の樽で10年。その一点が、どうしても気になったのです。
「日本酒カスク」とは、何なのか

カスクとは、ウイスキーを熟成させる木樽のこと。この樽に何を先に詰めていたかで、移り香が変わります。
よく知られているのはバーボン樽やシェリー樽。そこにあえて日本酒を熟成させた樽を使うのが「日本酒カスク」です。調べてみると、日本酒の樽は乳酸由来のニュアンスがつくとされ、従来の樽にはない珍しい個性が出るそう。海外では「シーバスリーガル 匠リザーブ 12年」が日本酒カスクを使った一本として知られています。まだ数の少ない、実験的な熟成方法だと言っていいと思います。
モルトを、日本酒の樽で10年寝かせるということ

この香掬は、モルト原酒を日本酒熟成樽で10年間眠らせた原酒です。度数は50%。加水を抑えた、飲みごたえのある設定です。
日本酒の樽で10年という時間が、どんな和のニュアンスを連れてくるのか。そこは飲んでみないと分かりませんが、少なくとも「ジャパニーズウイスキー」という言葉を、原料や蒸留地だけでなく、樽の中身まで日本に寄せて考えているのは伝わってきます。造り手が明言しているわけではありませんが、そういう意図の一本に見えます。
850本という数字と、17,600円の見方

瓶詰は850本。500mlで17,600円(税込)です。
500mlで17,600円を、安いとは言いません。日常の晩酌に開ける値段ではないです。ただ、10年分の時間と、850本しかないという事実、そして日本酒カスクという珍しい熟成を一本で確かめられると考えると、払う理由のある人には確かにある。そういう性質のお酒だと思います。購入は公式オンラインショップと江井ヶ嶋蒸留所での先行発売から。数が数なので、気になるなら早い段階で動いたほうがよさそうです。
どの夜に、何と開けるか

こういう一本は、平日の疲れを流すためではなく、休みの前の静かな夜に似合います。テレビを消して、氷は入れず、まずはストレートで。香りが立ちにくければ、ほんの少しだけ水を落とす。
日本酒の樽で寝かせた酒なら、合わせる肴も和のほうがしっくりくるはず。焼いた白身魚、味噌や出汁の効いた小鉢。濃い味で追いかけるより、素材の香りを邪魔しないものを少しずつ。お酒そのものを主役にして、ゆっくり付き合いたい夜のための一本です。
商品情報

- 商品名:香掬(かすく)日本酒カスク 10年/江井ヶ嶋酒造株式会社
- 価格:17,600円(税込)/内容量:500ml/アルコール度数:50%
- 原酒:モルト、日本酒熟成に使用したオーク樽で10年熟成/ブレンダー:大川啓太
- 瓶詰本数:850本(限定)
- 発売:2026年7月17日 先行発売(公式オンラインショップ・江井ヶ嶋蒸留所)
- 蒸留所:江井ヶ嶋蒸留所(旧ホワイトオーク蒸留所)/購入先:https://shop.ei-sake.jp/view/item/000000000111
出典
- 江井ヶ嶋酒造 プレスリリース(PR TIMES):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000125284.html
- 日本酒カスク・樽熟成の風味 参考:たのしいお酒.jp https://tanoshiiosake.jp/9223